上手にサウナを楽しむことで、体をいわゆる「ととのう」状態に導くことができます。
「整う」とはつまり健康になることを意味しており、精神的にも肉体的にもスッキリ爽快に至るのが特徴です。
プロサウナーの間では、疲労感が回復するだけでなく、一種の快感を味わうことができるとされます。
しかも、並大抵の快感ではありませんから、とてもリフレッシュできる上に、翌日の目覚めまで違ってきます。
このととのう状態をサウナトランスなどと言い、誰もが自分なりのやり方を追求しています。
というのも、明確なやり方は存在していないので、成功した人の意見を参考にしたり、試行錯誤して習得することが必要です。
ポイントは汗を掻く時間と水風呂の活用で、これらの組み合わせとサイクルが成功の鍵を握ります。
トランス状態に入ると、体の疲れや悩みが気にならなくなり、この世の極楽浄土の極致に至ります。
言葉で説明するのは難しいですが、仏教用語でいうところの悟りを開くような、そんな感覚が全身を覆うわけです。勿論、熱中症のような状態とは全く違いますから、体を危険に晒して特別感を得るのとは異なります。
当然ながら安全第一なので、サウナに入る時間は予め決めておき、時間を確認しながら休憩を挟んで、水分補給を忘れないようにしましょう。
正解はありませんが、「ととのう」トランス状態の極致に至っているプロサウナーによれば、5分ほど汗を流してから水風呂に浸かり、水を飲んでからまた汗を流すそうです。
これを数セット繰り返すことによって、次第に心身がトランス状態へと導かれ、やがて極楽気分が味わえます。
しかし、水風呂は心臓を中心に負担が掛かりますから、短時間で何度も出入りを繰り返すのはリスクがあります。
特に初心者は体が慣れていないので、まずは1回6分〜10分を3セットほどから繰り返すのがおすすめです。
ただ、やはり楽しく利用してこそですから、あまり厳密に時間やセット数を気にしなくても良いでしょう。
じっくりと汗を掻いてその時間を楽しむ、休憩になったら外に出て水分を補給する、それだけでも極論を言えば十分です。定期的に良い汗を掻くことは、汗腺の発汗機能が促進され、暑い時にしっかりと体温調節ができるようになります。
毛穴の汚れも綺麗に排出されるので、体臭が弱まったりさっぱり感が得られるメリットもあります。
体内では血行が促進され血流は2倍にもなりますから、疲労物質の排出にも役立ちます。
強力なデットクス効果や自律神経の改善・疲労物質の乳酸が取れたり、免疫力アップ・冷え性改善・疲労回復・美肌効果・代謝アップ・ディープリラックス等、慢性的な肩こりや背中の張りに腰痛など、体の節々から疲れや痛みが抜けていくでしょう。
血圧は血管の収縮によって変化しますが、サウナの中では放熱の為に血管が拡張され、結果的に血圧が下がります。
時折水風呂に浸かるのも、実は血圧を正常にするのに合理的な方法です。
元々低めの人は気をつけた方が良いですが、血圧が高めな人であれば、低く抑えて正常値に近づけられます。
プロサウナーのように定期的に楽しむ習慣を作ることで、得られる健康は一時的なものではなくなるはずです。
高温だと熱いお湯に浸かるように神経はたかぶりますが、逆にやや低めの温度だと、副交感神経が優位になってリラックスできます。
気持ちが落ち着き疲労感が抜けるのは、この副交感神経優位の状態による部分も大きいです。
強い光に触れて夜ふかしをしたり、不安や心配事を抱えている人は、緊張状態の交感神経が優位になりがちです。これらは生活習慣の見直しや深呼吸で改善しますが、直ぐにでも解消したいならやはりサウナをおすすめします。
最高のサウナを体験したいのであれば、プロサウナーのように準備を整えてから臨みたいところです。
タオルは汗を拭くのに使うので、吸水性が良い清潔なものを用意しましょう。
使い古して汚れが残っているタオルだと、汗を吸った時に嫌なニオイがしますから、必ず清潔なことが条件です。本格的に汗を掻く前には、もう1枚異なるタオルで全身を軽く擦り、毛穴から汗が出るように促すのが良いです。
イメージ的には軽い乾布摩擦で、体表の血行を促進することが、プロサウナーのトランス状態を獲得する第一歩となります。
水風呂は効果を左右する大切な要素ですから、前もって冷たさを確認しておくと安心です。
そうすることで水風呂が苦手な人でも、心構えをしておくことができます。何処まで浸かるかは自由ですが、無理をすると体に負担を掛けるので、最初は腰くらいに留めておくのが無難です。
手慣れているプロサウナーは、何度も繰り返し経験することで自分にとってベストな方法を確立していますから、安易に真似しないのが賢明です。
言うまでもないですが、飲酒後の血行促進や脱水は健康上のリスクなので、素面の時に限ることが原則です。
発汗や冷却と休憩のサイクルを繰り返し、試行錯誤であれこれ試してみると、非常に気持ち良く感じられる瞬間に出合えます。
それこそがととのう状態ですから、感覚を掴んで再現できるように習得を目指しましょう。