自動運転で変わる物流

自動運転で変わる物流、コスト削減の一方で不安も

アメリカで、自動運転のトラックが190キロの距離を走り、荷物を無事届ける実験に成功しました。コスト削減などが期待できる一方で、物流の現場からは不安の声も聞かれます。

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車3台を引っ張って走る乗用車。よく見ると・・・そう、自動運転の技術を応用した無人で動く車です。日産自動車が5日に公開したもので、工場内で生産した車を無人で運搬する“物流での活用”がその目的です。

「この自動運転技術を活用すると、この工場内の物流がもっと効率よく、もっとフレキシブル(柔軟)な対応ができるものと考えています」(日産自動車 吉村東彦常務執行役)

無人での自動運転技術は、人の移動の足としての活用もさることながら、むしろ、物流分野での活用に注目が集まっています。

海外では、すでに公道での実験が始まっています。高速道路を走るトラック。運転していたドライバーがおもむろにハンドルを離し、シートベルトを外して後部座席へ移動します。ドライバー不在のまま、トラックは自動で走り続けます。今年10月、タクシー配車サービスを手がける「ウーバー」の子会社がアメリカ・コロラド州で行った実験です。ドライバーは、雑誌を読みながら、ちらりとハンドルを見るだけ。およそ190キロを走破し、荷物のビール5万本を無事に届けました。

仮に、日本でもトラック輸送が自動運転となった場合、一番のメリットは・・・

「運輸コスト等を引き下げる効果が期待されています」(野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 桑津浩太郎部長)

全日本トラック協会によると、運送費のおよそ4割は人件費といわれています。ネット通販の増大などから宅配便などの取り扱い量が増える一方、ドライバーの人数は、去年はおよそ80万人と2年連続で減少。40歳以上が7割以上と、この10年間で急激な高齢化が進んでいて、今後、さらなる人手不足が懸念されています。

「人手不足は確かにあるんじゃないですか。若い人いないし」(運転歴10年 トラックドライバー)

「(自動運転で)僕ら自身も体が楽になるのではないかな」(運転歴5年 トラックドライバー)

自動運転技術に期待する声がある一方、無人化にはこんな不安が・・・

「無人化ということになっちゃうと、仕事的にどうかなと思います」(運転歴20年以上 トラックドライバー)

「ここの店舗が成り立たなくなってしまうので、それはちょっと困るなというのはあります。運搬する仕事って人の心も一緒に運ぶものだから、そこはちょっとどうなのかしら」(トラックドライバーの 利用が多い店舗)

専門家は、長距離運転はかなり減るものの、トラックドライバーの仕事はなくならないと指摘します。

「(自動運転で)やはり一般道は相当難しい。 今でも集配の部分で人が足りていません。ドライバーの仕事がなくなるよりは、『人間から荷物を集めて人間に渡す』というところに集中的にあてるべき」(野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 桑津浩太郎部長)

自動運転技術の進歩で物流の未来は大きく変わることになりそうです。(05日18:16)TBS NEWS 引用

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