商 号 株式会社富士屋ホテル
業 種 観光旅館、結婚式場経営
所在地 茨城県
倒産態様 破産手続き開始決定受ける
負債額 負債1億9900万円
「茨城」 既報、(株)富士屋ホテル(資本金1000万円、潮来市潮来102、代表藤岡房子氏)は、5月27日に水戸地裁麻生支部より破産手続き開始決定を受けた。
破産管財人は茂手木克好弁護士(水戸市中央2-8-31 茂手木ビル102、茂手木法律事務所、電話029-227-5101)。債権届け出期間は6月30日までで、財産状況報告集会期日は9月9日午後2時。
当社は、1957年(昭和32年)4月、水郷潮来あやめ園で知られる観光地の茨城県潮来市にて旅館業を目的として創業、62年(昭和37年)11月に法人改組、79年8月に6階建てのホテル「潮来富士屋ホテル」を新装オープンした。また、89年9月には、北利根川対岸の千葉県佐原市に結婚式場「開花亭」を開設、ホテルと結婚式場の運営を手がけ、毎年5月~6月にかけて開催される「水郷潮来あやめまつり」に訪れる観光客などを対象に、98年12月期には年収入高約5億円を計上していた。
しかしながら、東関東自動車道など交通網の整備を受け日帰り観光が主体となり、宿泊客が伸び悩んでいたほか、法人などの宴会需要の減少に加え、結婚式も少子化や価値観の変化で多様化が進んだ影響で、2002年12月期の年収入高は約3億1000万円と低迷。収益面でもホテルおよび結婚式場への設備投資負担が重く大幅な損失を余儀なくされ、資金繰りがひっ迫したことから、2003年4月に東京地裁へ民事再生法の適用を申請、約12億円の負債を抱えて経営破綻した。その後、同地裁の再生手続き開始決定、再生計画認可を経て再建を進めていた。
経営再建を進める過程で一時は持ち直す様相をみせるも、2011年3月に発生した東日本大震災、福島第一原発事故による風評被害で事業環境は一変、ホテルは宿泊客数の落ち込みが避けられず、結婚式場も披露宴の規模縮小や競合によって不振が続いていた。最近は2億円台を割り込む低調な年収入高が続き、改善に結びつくきっかけもつかめないなかで事業の継続は難しいと判断、3月13日までに営業を停止し自己破産を申請していた。