なぜ燃料が高騰してるのか

国際的に原油高が続いて、そのため自動車などの燃料のガソリンや軽油高い価格になって燃料高騰が続いています。
ではなぜこんなに燃料が高騰しているのかを考えると次のような理由があります。


2017年末から2018年にかけて原油が高騰した理由は、世界情勢などの地政学的なリスクが考えられます。
中東地域のある国で年末から年始にかけて大規模デモが起きるなど不安定な国政に加えて、米国との核合意見直しや追加制裁などで、原油の供給が不安定化して減少する不測の事態を警戒して高騰しました。


それ以外にマクロ的な視点で、世界的な原油在庫の減少圧力により原油高が起こっています。
世界経済の好調さを背景として需要が安定して堅調に推移しているのにも関わらず、石油輸出国機構やロシアなどが協調減産を実施したため、原油の需要と供給のバランスが崩れて在庫が急激に減少しました。


つまり先進国が持っている原油在庫が減り続けているにも関わらず、原産国が石油の減産をしたため、需要増加と供給減少が重なって価格が高騰しました。
それに加えて原油高を抑制する要因になるシェールオイルの生産動向で、2017年の12月以降にも生産量が低調な統計が米国で発表されて、原油高が続くと投資家に安心感をもたらした事も要因です。


つまり原油が高騰すれば本来なら生成コストの高いシェールオイルでも利益が上がるため、シェールオイルが増産されて原油供給過多になり、価格が下がって安定するのですが、そういった流れが起きない事で投資家が安心して原油を投機買いを行っています。


他にも為替市場のドル安圧力が発生している事も、ドル建てで取引されている原油価格を押し上げる圧力になってます。
米国の経済は好調で金融政策も段階的に利上げが行われているので、本来ならばドル高が進むはずですが、日欧などの米国以外の国々の金融緩和政策の緩和政策もいっしょに是正されるのではないかという見方が、米ドル相場を押し下げました。


世界的なドル安圧力が発生している事で、それに相当する原油価格の上昇率を正当化して原油価格が高騰する要因になりました。
そして最も大きな要因は、投機マネーの動向での影響です。


国際原油需要が緩和傾向から、正常化に向かって行く過程で、石油投資をしている投資家が売りポジションを急ピッチで解消しています。
それと同時に買いポジションを積み増ししていて、原油の先物取引市場では投機主導の価格押上げ圧力が急激に高まってきてます。


米国を中心とした世界中の原油先物取引市場では、大口の投機を行う投資家による買いこし枚数が2017年6月当時に比べて、2018年1月時には約2倍まで拡大しています。


世界的な株高傾向の影響もあって、投資家の株投資によるリスク回避に、比較的下がるリスクの少ない投資先として原油先物取引市場に資金が流れた事が原油高の要因になりました。
以上に上げた5つの要因が重なったために原油高が急速に進んで燃料高騰しました。

| カテゴリー : blog | 投稿者 : tera-tech